平屋の値段を抑える方法
平屋住宅がここ最近シニア世代を中心に注目を集めています。
平屋の最大のメリットとは何と言っても生活動線がフラットであることです。
つまり階段が無く、必要な動作がワンフロアで完結するため体への負担が少ないという点がシニア世代の注目をあつめる要因となっています。
特に子供が巣立った後に自宅を売却し平屋やマンションに住み替えるケースが増えています。
そうした動きもありハウスメーカーが平屋建てを商品化するなどの動きも出てきているようです。
実は高齢者の死亡原因の多くは家庭内で起きており中でも階段や段差に絡む事故が多いようです。
歳を取ってしまうと何気ない階段の登り降りが辛く感じたり、躓いてしまって大怪我に繋がる可能性もあります。
平屋住宅の場合はフラットな造りとなっていますのでそうした事故のリスクを最小限に抑えることがができます。
また、最近は若い世代でも将来を見据えて平屋を選択する人が増えています。
現代の家族の世帯人数は減少してきており、コンパクトな住宅が人気なようです。
当然かかる費用に関しても2階建ての住宅よりは安く済ませることができるので経済的でもあります。
その他の平屋のメリットは以下が挙げられます。
・家族のコミュニケーションが円滑になる
・2階建てに比べ冷暖房の効率が良い
・バリアフリー設備の導入が安価
・施工費用が安く済む
・建物の重量が軽いため地震など災害の影響を受けにくい
実際いくらぐらい掛かるのか
平屋建ての場合坪単価はだいたい30〜50万円ぐらいを見ておくとよいかもしれません。
坪単価とは工賃を床面積で割った額になります。
2階建てとどちらがお得かと言われれば金額的な面で言えば2階建てと言わざるをえません。
平屋を建てる場合、一番のネックは土地代です。
2階建ての住宅よりも当然広い土地を用意する必要があるため土地価格が高い地域ですとそうとうな金額が必要になることが予想されます。
子供が独立した後、夫婦2人で住む場合などあまり広さや立地に拘らないのでしたら1000万円以下で建てることも十分可能です。
平屋を建てる際の注意
平屋を建てる際に幾つか注意しておきたいことがあります。
平屋を建てたい方は当然老後を見据えて建てる方が多いと思いますのでバリアフリーのことを考えて間取りを検討する必要があります。
例えば、車いす生活になった場合スロープだけでなく廊下もある程度の広さが必要になってきます。
人が通れる幅というのはだいたい70センチぐらいですが車いすで通ることは難しいです。
元気なうちは中々イメージしづらいことですがそういった視点で家づくりをする必要があります。
できれば廊下は最小限にして各部屋を広めに設計し、部屋を廊下代わりに活用することをおすすめします。
一度家を建てたあとはそうそう簡単にリフォームが出来るわけではないので納得いく家づくりをしたいですよね。
バリアフリーの設計やコストを抑えて家を建てたい方には以下の記事をお勧めします。
複数のハウスメーカーのプランを比較することができますし、家づくりのプロに相談に乗ってもらえるので心強いです。
木造平屋建ての価格はどのくらい?
住宅の価格は大きさや間取りによってまちまちです。
そんな住宅価格を分かりやすく把握したり比較したりする時に使われるのが坪単価です。
一般的に、坪単価は建物価格を面積で割って計算します。
木造平屋建ての価格や坪単価の相場はどのぐらいなのでしょうか。
また、平屋建ての価格を抑えるには何に気をつけたら良いのでしょうか。
木造平屋建ての坪単価と住宅価格
坪単価の相場はおおよそ30万円から50万円程度です。
同じグレードの2階建て住宅よりもやや高くなる傾向にあります。
ただ、住宅価格はハウスメーカーや工務店によって大きく異なります。
坪単価が100万円を超えるような高級なところもあれば、坪単価が20万円程度の超ローコストメーカーもあります。
素材や設備のグレードにも左右されます。
ローコストのハウスメーカーでも、高級な建材を使ったり設備のグレードを上げたりすれば、他のハウスメーカーと同じような価格になることもあります。
坪単価の例
参考までに主なハウスメーカーの坪単価を紹介します。
・セキスイハイム:76.5万円
・ダイワハウス:74万円
・タマホーム:45万円
・トヨタホーム:60万円
・パナホーム:70万円
・ヘーベルハウス:81万円
・ミサワホーム:67.5万円
・一条工務店:65万円
・三井ホーム:84万円
・住友林業:80万円
・積水ハウス:79万円
これは施工事例をもとに計算した目安であり、各メーカーが公式に発表している坪単価ではありません。
坪単価の注意点
便利に見える坪単価ですが、坪単価で価格を比べたり費用を考えたりする際には注意が必要です。
まず、メーカーや工務店によって何を建物価格に含めるかは異なります。
さらに、面積の出し方にも差があります。
住宅会社によって建物価格の内訳が異なるため、違う会社の坪単価をそのまま比較するのは危険です。
どうしても坪単価で比較したいという場合は、施工例から自分で計算して求める方が無難です。
また、坪単価は建物価格を面積で割って計算しますが、住める建物をつくるには建物価格だけでは足りません。
電気や水道などのライフラインの工事、塀や門といった外構の工事も必要になります。
また、検査や登録にかかる費用や税金もあります。その他にも、エアコンやカーテンの購入・設置にもお金がかかります。
こうした諸費用は坪単価に含まれていませんが、数百万円以上の費用がかかります。
坪単価30万円で30坪の住宅を建てても、900万円の予算では到底足りません。
建物以外にもお金がかかるということを念頭に置いて考える必要があります。
基本的に、広告に掲載されている坪単価はそのメーカーの標準仕様か最低価格です。
実際に家を建てるとなると坪単価は広告に提示されている価格以上になるでしょう。
できるだけ安く家を建てようと家造りを開始した人でも、実際に間取りを考えたり設備を選んだりする段階になるとこだわりたい部分がでてきます。
平屋建てと2階建て
平屋建ては狭いため、2階建てよりも安くなると思われがちです。
しかし、実際にはその逆で、2階建てと比べると平屋建ては割高になりやすいです。
平屋建てが高くなりやすい理由にはいくつかありますが、まず2階建てと比べて建てる人が少ないということがあげられます。
建材の清算が少なく、材料費がかさみやすいのです。
また、同じ広さの家を建てるためにはより広い土地が必要になります。
平屋建てには平屋建ての魅力がありますが、割高になりやすいのは事実です。
予算が同じなら2階建ての方が広い家をつくれます。
価格を抑えて住宅を建てたいという場合は、本当に平屋建ての必要があるのかどうかをよく考えましょう。
子どものために専用の子ども部屋が必要なら、2階建ての方が部屋を増やしやすいです。
反対に、夫婦二人だけの生活なら、年を取っても暮らしやすい平屋建てが向いています。
二人暮らしの住宅なら平屋建てでも6、700万円前後で家を建てることもできます。
値段だけでなく、家族構成や将来の生活を考えて家の間取りや構造を選ぶことも大切です。
住宅設備と価格
太陽光発電
最近人気の設備の一つが太陽光発電です。
環境に優しい住宅にしたり、売電収入を目的にしたりと動機は様々ですが、決して安い設備ではありません。
導入には慎重になる必要があります。
一般的に太陽光発電システムには100万円から200万円ほどかかります。
さらに、メンテナンスにも費用がかかります。電気代の節約にはなりますが、設置費用を回収できるまでには時間がかかります。
初期費用が大きいため、節約目的で導入するには不向きです。
床暖房
床暖房も人気の設備です。
特に平屋建ては老後の生活や快適性を重視しているケースが多く、床暖房の導入を希望する例が多いです。
局所的な暖房ではなく、広範囲を暖めるため体の負担が少なく、空気の汚れも少ないです。
特に冬場は温度差によって心臓に大きな負担がかかるため、暖房設備について考えるのは大切です。
床暖房にかかる費用は構造やタイプにもよりますが、40坪で80万円程度、坪当たり2万円が目安です。
床暖房には温水で温めるタイプとホットカーペットのように温める電気式のタイプがあります。
狭い範囲であれば電気式が向いていますが、広い家や複数の部屋を暖める場合は温水式が向いています。
間取りや目的に合わせて正しいタイプの床暖房を選びましょう。
天窓・中庭
いずれも平屋建てで人気の設備です。
デザイン面だけでなく、採光のために天窓や中庭を設置する場合も多いです。
特に平屋建ては周囲の建物で日当たりが遮られやすいため、中庭や天窓の効果は大きいです。
ただし、中庭を設けると家の形が複雑になるため、建築費用は高くなります。
ロフト
平屋建ては2階建てに比べると狭く、収納場所の確保が困難です。
ロフトをつくれば収納スペースに余裕をもたせたり、趣味のための場所を確保したりすることができます。
見た目やデザインのためにロフトを希望する人も多いです。
ロフトをつくるのにかかる費用は6畳で40万程度ですが、熱がこもるのを防ぐための換気設備を設けたり、上り下りのしやすいハシゴを設置したりした場合、もう少しお金がかかります。
その他の設備
この他にも、システムバスやキッチンなど様々な住宅設備があります。
住宅設備はグレードによって値段に大きな幅があり、数十万円のものから300万円クラスのものもあります。
どの設備にお金をかけるのかをしっかりと決めることが必要です。
工務店とハウスメーカー
注文住宅を建てる時に、工務店に依頼するか、ハウスメーカーに依頼するかというのは非常に大きな問題です。
よく、大手よりも地元の工務店に依頼した方が安上がりと言われていますが、必ずしもそうとは限りません。
大手ハウスメーカーは広告費が住宅価格に上乗せされているぶん、高くなりやすいと指摘されています。
しかし、建材の大量生産や工場での組み立てなど、建築時のコストカットは大手の方が進んでいます。
建てる家によっては、地元の小さな工務店に依頼するより、大きなハウスメーカー製の方が安くなる場合もあります。
大手は高い、工務店は安いというステレオタイプに惑わされず、自分の目で探すことが大切です。
住宅価格を抑えるには?
住宅はこだわればこだわるほど高くなります。価格を抑えて家を建てるにはコツが必要です。
これは平屋建てに限らず、全ての住宅に言える話です。
こだわるポイントを絞る
「思ったよりも高くついてしまった」という事態を避けるには、家のコンセプトをはっきり決めることが大切です。
コンセプトというと難しいかもしれませんが、現状の住まいにどういう不満があり、何のためにわざわざ家を建てるのか考えていけば分かるはずです。
そして、「どんな家にしたいのか」「どんな生活をしたいのか」を決め、それ以外の部分についてはバッサリと切り捨てられる思い切りが大切です。
機能の高い設備を導入すれば、確かに生活は便利で快適になりますが、予算がある以上何でも高機能なものを導入するわけにはいきません。
大切だと思う部分には高グレードものを、それ以外のものはグレードを下げる勇気も必要です。
複雑な構造の住宅は避ける
複雑な構造にしたり、凝ったデザインにしたりすれば住宅価格は跳ね上がります。
特に平屋建ては2階建てに比べると外壁や屋根の面積が広くなりやすく、それが原因で住宅価格が高くなるケースが多いです。
上から見た時に真四角に近い形にすることで、構造が原因で費用がかさむ事態を避けることができます。
イメージだけで依頼先を選ばない
大手ハウスメーカーだからといって必ずしも効果とは限りません。
反対に、小さな工務店に依頼したからといって安くなるとは限りません。
イメージや知名度だけで選ぶのではなく、どんな家をどのぐらいの価格で建てられるのかをよく確認しましょう。
補助金を活用
バリアフリー工事や、太陽光発電設備の工事には補助金を出している自治体もあります。こうした制度を活用すれば、高価な設備でも導入しやすくなります。